neichan’s blog

ネイマといいます。日本人です。

11月に読んだオススメ本2

 

どーも、ネイマです⚽️

 

今回は前回の続きをやっていきます。

前回、さよなら田中さんとモルヒネについて書くって言ったんですけど、作者を一緒に描きたいんで、『さよなら田中さん』と『14歳、明日の時間割』について書きますね。

 

f:id:neichan:20181220120545j:image

 

・さよなら田中さん

 

この作品は東京都に住む当時中学生の鈴木るりかさんの作品です。

鈴木るりかさんは、史上初となる、小学校4年生、5年生、6年生に3年連続で、小学館主催『12歳の文学賞』大賞を受賞した大人顔負けの実力を持つ中学生です。

 

 

この作品は5つの話からできていて、今回はこの本のタイトルである、『さよなら田中さん』について書きますね。

 

 

 

・内容

母親と2人で暮らしていた田中花実。

自分に父親がいないことは特に気にしていなかった。昔いていなくなったのならば違和感があるだろうが、元々いなかったのならそういうもんだって思うだけだった。

 

また、田中家には親戚もいなく頼りどころがないためかなり貧困生活をしていた。

 

母親は花実を育てるために女性では珍しく、工事現場で働いていた。

 

花実は近所の激安堂で買い物に行き、半額の商品を毎日買い漁るような生活を送っていた。

 

特に不自由を感じることもなく、母親が花実を愛していることが感じられる。

 

そんなとき、同級生の三上くんが女子が教室で着替えているときに覗いたとして、犯人扱いを受け、クラスの中で嫌われ者になってしまう。

 

そんな中、花実だけはいつもと変わらない態度で接していたため、三上くんは花実に好意を抱く。

 

三上くんは、中学受験をするために塾に通っていた。

 

兄や姉が優秀であったことからプレッシャーを感じ、結果的に受験に落ちてしまう。

 

その日から母親は三上くんを罵倒するようになり、とうとう勝手に山梨県の私立高校に願書を出し、三上くんを家から追い出した。

 

ざっくりまとめるとこんな感じです。

 

 

 

 

この本で感じたことは、普通とは定義しにくいということだ。

 

 

父親、母親がいることが普通?毎日そこらへんのスーパーで定価で商品を買うことが普通?

塾にいったら中学、高校に受かるのは当たり前?

 

 

おそらくそれは本人が勝手に思い込んでいるだけだと僕は考えます。

 

自分には父親がいる、相手には父親がいない

=可哀想って変換していると思います。

 

 

それはなぜか、

 

 

それは、自分の中に基準を設けているからです。

 

 

自分の周りが自分の基準になります。

 

 

例えば、

父親という存在は何も口を出さずに朝になると家を出て行き、夜になると帰ってくる生き物であり、

母親とは、いちいち口うるさく何事にも口を挟む生き物であり、

教師とは、生徒第一と言いながら肝心なことは何も知ろうとしない生き物であり、

コンビニとは、夜8時になると閉まるモノである。

 

このように、自分が育った環境が自分の基準になります。

 

だから、田舎から都会に来た人は『コンビニが夜遅くまでやってる!!』って興奮したりしますね。

 

だから別に、元々父親がいない子供は別にそこまで気にしてないんですよ。

 

ただ、周りの人に大変だなーなどと言われると

自分が周りと違うことを痛感させられるため、本人は自らを卑下する。

 

つまり、

周りが可哀想って思うことで、本人が可哀想な人になってしまう。

 

 

父親がいないAさんであったのが

父親がいない可哀想なAさんというふうに変換される。

 

 

さらに学んだことは、貧困が必ずしも不幸ではないということだ。

 

受験に失敗して、母親からの信頼と愛情を無くした三上くんと、

貧困でありながらも、母親という頼り甲斐のある心から信頼をおける人物がいる花実。

どちらが幸福であると言えますか?

 

三上くんが不幸であるとは言いませんが、花実の方が幸福で充実した人生であると思います。

 

そんなことを考えさせられる物語でした。

 

 

14歳、明日の時間割

 

この本は各章が時間割になっていて

 

1時間目 国語       見る前に跳べ!

2時間目 家庭科   空色のマフラー

3時間目 数学       誰かと違う夜

4時間目 道徳       深く息を吸って

昼休み                 孤独の友

5・6時間目 体育 花の下にて

放課後                 アフタースクール

 

このように面白い作りになっています。

 

この物語は同じクラスの仲間がみな小さな悩みを持っていて、それぞれが中原くんというスポーツ万能イケメン少年によって解決していくような話です。

 

この話は内容を書くのが難しいので、印象に残った場面と言葉だけ紹介しますね。

 

 

 自分が想いを寄せてる男子が何も言わずに転向したときの中原くんと女の子との会話で

 

『親しいからこそ、よく思っているからこそ、言いにくいことってあるんじゃないのかな?』

 

『どうして?信用されてないから?』

 

『悲しい思いをさせたくない人だからじゃないかな?』

 

 

 友達がいない女の子が中原くんが何気なくいった、『友達のおすすめって言えば、兄貴読んでくれると思うわ。助かった、ありがとう』

女の子はそのなかの『友達』という言葉がとてつもなく嬉しくそのときの言葉です。

 

『あの日は完璧にいい日だったなぁ、一点の曇りもない最良の日だった。と思えるのは、生涯でせいぜい4.5日だとおもう。』

 

 

 

 体育が大の苦手で、みんなの足を引っ張ってしまうことにトラウマを抱えている女の子と、

親から顔について罵倒されてコンプレックスを抱えてしまった女の子との会話で

 

大人から見たら、くだらない、取るに足らない悩みって思うかもしれない。

でも、今私たちを悩ませて、思考のほぼ大半を占める問題はそんなのばかりだ。

 

それらは、いつか振り返ったとき、あの頃はくだらないとこで悩んでいたよな、って思えるのだろう。

そこまでわかっているのに、今はどうしようもできない。

小さな悩みに囚われ、そのどうにもならなさに、みっともなくもがいている。

 

 

この言葉に少しでも共感したら、是非読んでください。

 

 

んじゃあ、✋